LuLu紹介
- 名前:LuLu
- 生年月日:2017年1月11日(8歳)
- 品種:スコティッシュフォールド
- 性別:オス(去勢済み)
- 好きなもの:食べること、他の猫のグルーミング、おもちゃを噛むこと、そして何よりも食べること!
- 苦手なもの:お風呂、好きな時に食べられないこと、ウサギ
- 好きな食べ物:基本的に何でも!
- 診断:2020年に慢性腎不全(ステージ2)と診断
- ケア:Dr.Toru プロトコル、インテンシブ プロトコル、プロバイオティクス プロトコル、オメガ3
LuLuを一言で表すなら?たくさんの言葉が思い浮かびます。
元気いっぱい、自由奔放、意志が強い、活発、フレンドリー、愛情深い。
でも、一番しっくりくるのは「食いしん坊」でしょう。
LuLuは、食べ物だけでなく、あらゆるものへの「欲求」に突き動かされている猫です。
おやつはもちろんのこと、仲間との時間、おもちゃ、楽しい刺激…とにかく何かを求めて生きています。
でもやっぱり、何よりも「食べること」が大好きな猫です。
だからこそ、LuLuが3歳を過ぎた頃から食べ物を拒むようになった時、とても心配になりました。
LuLuはいつでも「食べ物」という言葉に敏感で、少しでもその気配を感じると、誰よりも早く駆け寄る猫でした。
おやつの袋を部屋の反対側で振るだけで、すぐに駆けつけて「自分の分をよこせ!」と大きな声で要求するのがLuLuのいつもの姿でした。
しかし、ある時から全力で走るのをやめ、ゆっくりと歩いてくるようになりました。
時には、おやつを差し出しても見向きもしないことさえありました。
それでも普段の食事はしっかり食べていたものの、以前よりも食べる量が減り、眠る時間が増えているのは明らかでした。
そして2020年、LuLuは慢性腎不全(ステージ2)と診断されました。
お願いだから食べて…!
慢性腎不全(CKD)と診断されることは、猫にとって大きな転機となります。しかし、それは必ずしも良い方向への変化ではありません。
CKDは完治することのない病気であり、進行を遅らせることはできても、完全に消し去ることはできません。診断された瞬間から、生活のあらゆることが変わり、小さなことから大きなことまで、さまざまなストレスを抱えることになるのです。
その影響もあり、多くのCKDの猫が食欲を失ってしまうのは不思議なことではありません。
食欲低下はCKDの代表的な症状の一つですが、最も厄介なのは、CKDの管理のために行う対策が、かえってこの症状を悪化させることがあるという点です。
CKDの猫には、腎臓への負担を抑えるために特別な食事管理が必要になります。
おやつの量を減らし、たんぱく質・リン・ナトリウムの含有量が少ない腎臓ケアフードに切り替えることが推奨されますが、腎臓に優しいフード=美味しいフードとは限りません。
多くの猫は、腎臓ケアフードの味を気に入らず、食事を拒否してしまうのです。
宮崎徹博士との対談
TTとLuLuが慢性腎不全(CKD)と診断されて以来、私は猫の腎臓病治療について徹底的に調べ続けました。
専門家に相談し、かかりつけの獣医師と話し、ニュース記事をチェックし、学術論文まで調べながら、少しでも治療の手がかりを探していました。
そんな中、2022年に日本のある教授が猫のCKDの原因を解明し、「AIM」という物質を活用した治療法を研究しているという記事を見つけました。
その教授こそが宮崎徹博士でした。
少しでも可能性があるなら試してみたいと思い、私は直接宮崎博士に連絡を取り、TTとLuLuのために何かできることがないか尋ねました。
すると驚くべきことに、博士は私の申し出を快く受け入れてくれただけでなく、猫のCKDについての認知を広めるためにインタビューにも応じてくれたのです。
さらに、博士は自身の研究をもとにした猫のCKD治療のための特別な処方を教えてくれ、それをもとにAIMを活用したサプリメントを試作し、LuLuたちに与え始めました。
こうして誕生したのが、AIM Dr.Toru プロトコルの原型となるサプリメントです。
私と宮崎博士の最初の対談やインタビューの詳細は、こちらからご覧いただけます!

さらに、初期のAIM Dr.Toru プロトコルの補助剤を使用しながら猫たちをケアする中で得られたデータは、その後の理解を深める大きな手がかりとなりました。
このデータを基に、AIM Dr.Toru プロトコルだけでなく、インテンシブ プロトコルやプロバイオティクス プロトコルの開発にもつながったのです。
Greycoat Researchが提供する3つのサプリメントのうち、AIM Dr.Toru プロトコルとプロバイオティクス プロトコルはそのまま給与することも、カプセルを開けてフードに混ぜることも可能ですが、インテンシブ プロトコルには猫が好まない成分が含まれているため、カプセルのまま与える必要があります。
また、カプセルはLuLuのような小柄な猫でも飲み込みやすいように小さめのサイズになっていますが、それでもカプセルを嫌がる猫もいます。
そうした猫にはピルガンのようなツールを使って与える必要があります。
幸いなことに、LuLuはそういった手間が一切不要なタイプの猫です。
「食べるのが最優先、考えるのは後(もしくは考えない)」という性格なので、サプリメントを与えるのは驚くほど簡単でした。
LuLu – 史上最も食いしん坊な猫
LuLuがステージ2の慢性腎不全(CKD)と診断されてから、もう5年が経ちました。
それでも彼は今もステージ2のまま、病状が進行することなく安定しています。
これは、適切な腎臓ケアがCKDの猫にどれほど大きな影響を与えるかを証明する結果でもあります。
クレアチニンの数値は目に見えて改善し、LuLuの食欲は相変わらず健在。
むしろ、健康状態が安定したことで、以前よりさらに食いしん坊になっている気さえします。
時々、本当に大丈夫なのかと心配になるほど、彼の食欲は衰えるどころかますます増しているのです。
LuLuは、CKDと共に生きる猫の希望の証
LuLuのように慢性腎不全(CKD)を抱えていても、猫の生活が終わるわけではありません。
もちろん、彼の生活には変化がありました。好きなだけおやつを食べることはできなくなり、水分補給にも気を配るようになりました。
でも、それでもLuLuはLuLuのまま。 生活が変わったからといって、彼の本質が変わるわけではありません。
早期診断のおかげで、私はLuLuに必要なケアを適切に提供することができました。
焦って色々と試すのではなく、LuLuのペースに合わせて少しずつ生活の変化を取り入れることができたのです。
もし急激な変化を強いていたら、ストレスが原因でここまでの改善は見られなかったかもしれません。
また、彼の病状を正しく理解することも、適切なケアを行う上で非常に重要でした。
宮崎徹博士の研究と指導のおかげで、CKDのメカニズムを深く理解し、LuLuにどのような影響を与えるのかを知ることができました。
この知識があったからこそ、私はLuLuの病気と真正面から向き合い、適切なケアを続けることができたのです。
そして今、はっきりと言えることがあります。
このケアは、間違いなくLuLuの腎臓の健康に大きな効果をもたらしました。
LuLuは、ステージ2のCKDと共に生きています。
でも、それでも彼は今も— 食いしん坊のまま!
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LuLuの食欲に対する心配は、同じくステージ2の慢性腎不全を抱えていたTTのケアの経験からもきていました。
TTはとても食にこだわりが強く、好き嫌いが激しい猫でした。
そのため、TTがしっかり食事をとれるようにするためには、急な変更ではなく、長期的に少しずつ食事の調整を行う必要がありました。LuLuの場合も、無理に環境を変えるのではなく、彼のペースに合わせた食事管理が重要だと考えていました。
TTのCKD管理に苦労した経験については、こちらで詳しくご紹介しています!