たった3ヶ月で、腎不全ステージ1からステージ3になることがあります。

これは単なる早期発見ではありません。本当の分岐点です。 
ステージ1は見た目には大きな問題がないように感じられるかもしれません。  
しかしIRISガイドラインによれば、この時点ですでに腎機能の33〜66%が損なわれている可能性があります。
獣医師から「まだ大丈夫ですよ」と言われたとしても、
グレイコートリサーチが蓄積してきた10,000件以上のCKD症例は、より厳しい現実を物語っています。 
この時期に適切な対策を講じなければ、急速な進行につながるケースが多くあります。

今や、腎不全ステージ1は単なる「予防の時期」ではありません。 
腎機能の悪化が加速する前に、体系的かつ積極的なケアを始めることが求められます。

ひと目でわかる

このガイドでは、ステージ1の腎ケアに向けたサプリメント・食事・水分補給のヒントをご紹介します。

食事管理 ― まだ処方用の腎臓療法食を始める時期ではありません

CKDステージ1だからといって、すぐにタンパク質制限が厳しい処方用腎臓療法食に切り替える必要はありません。  
この段階で猫に必要なのは、腎臓に配慮しつつ、体力と細胞の働きを支える最適な栄養設計です。

 ✔  なぜ、今は腎臓療法食ではないのでしょうか?

  • 多くの処方用腎臓食は、タンパク質を過剰に制限しています。  
  • その結果、血液のpHが上昇し、代謝性アルカローシス(metabolic alkalosis)のリスクが高まる可能性があります。

✔  グレイコートリサーチが推奨する食事

  • タンパク質は控えめに、リンはしっかり低めに調整されたシニア用フード  
  • ロイヤルカナンやヒルズなど、獣医師にも信頼されているブランドを選びましょう

✔ 給餌スタイルの見直し

  • 自由給餌(置き餌)から、1日3回・8時間ごとの定時給餌スタイルへ切り替えましょう  
  • 定期的な空腹時間を設けることでAMPKが活性化し、細胞の生存力と腎機能の回復力を高める効果が期待されます。

水分管理 - CKD ステージ1の猫も注意が必要です

腎不全ステージ1の猫は、見た目には脱水症状がないように見えても、組織レベルの水分はすでに減少している可能性があります。 無理に飲ませるよりも、自ら水を飲みたくなるような環境を作ってあげることがより重要です。

 ✔ 水分摂取を促すための基本戦略

  • 家の中に2〜3か所、水飲み場を設置しましょう 。
  • 水は1日1回以上交換し、器も清潔に保ちましょう  
  • ウェットフードにぬるま湯を加えて与えるのも効果的です 
    例: 1:1 → ウェットフード50g + ぬるま湯50ml  
    例: 1:2 → ウェットフード50g + ぬるま湯100ml  

最初は少量から始め、猫の様子を見ながら少しずつ増やしましょう。

健康モニタリング:CKDステージ1でも継続的な観察が必要です。

ステージ1だからといって、安心できる状態とは限りません。  
以下のポイントを、定期的にモニタリングしていくことが大切です。

✔ 食欲や元気の変化に注目しましょう

  • 食欲の低下や無気力が繰り返される場合、それはステージ2への進行サインである可能性があります。  
  • また同時に、急性腎不全(AKI)の初期症状であることも考えられます。
  • AKIは、CKDの初期段階で併発することがある急性疾患です。

✔   6〜12ヶ月に1回は動物病院でチェックを

  • 血液検査:クレアチニン、BUN(尿素窒素)、リンの数値を確認  
  • 可能であれば、腎臓の超音波検査も受けてみましょう 
    → 結石や構造的な異常を早期に発見できる可能性があります。

CKDステージ1期における積極的な管理の力

もはやステージ1は「予防」段階ではありません。  
進行を食い止めるために、今こそ積極的な管理が求められる時です。
見た目には元気そうに見えても、腎機能のかなりの部分がすでに損なわれていることがあります。

今の選択が、この先3ヶ月、6ヶ月、そして数年後の健康状態を左右するかもしれません。
まだチャンスの窓は開いていますが、 その窓が閉じてしまえば、その後の管理は一段と難しくなります。  

今すぐ、あなたの猫のケアルーチンを見直し、スタートさせてみませんか?
場合によっては、ステージ1の段階でも他の合併症を伴っているケースもあります。  
そのような場合は、ルーチンの調整が必要になるため、ぜひ個別相談をご活用ください。

参考

IRISガイドラインによると、ステージ1は腎機能の変化が最も早期に見られる段階です。
この段階では腎機能は概ね保たれており(約66%以上が残っているとされます)、
クレアチニンは通常1.6 mg/dL未満、BUNは一般的に15〜30 mg/dLの範囲内です。
ただし、数値は個々の健康状態や検査機関の基準によって異なる場合があります。

免責事項

本コンテンツは教育目的の参考情報として提供しており、獣医師による診断や治療の代替を意図するものではありません。
必ず担当の獣医師にご相談のうえ、Greycoat製品は獣医師の指導のもと、管理されたケアルーティンの一部としてご使用ください。


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