ステージ2:数値が上がり始めたら、今こそ、ケアの切り替え時です
IRISガイドラインによると、ステージ2は腎臓機能が最大67%まで損傷した状態を意味します。クレアチニンとSDMAの数値が上がり始め、一見すると症状がなくても、猫の老廃物排出能力はすでに大きく低下しています。
ステージ2は、猫の腎臓管理の方向性を変えるべき決定的な時期です。わずか数日で急速に悪化し腎不全ステージ3になる可能性もあります。
グレイコートリサーチが世界中で収集した10,000件以上のCKD症例によると、ステージ2で管理方法を強化した猫ほど、食欲、活力、安定性をより維持できているケースが多く見られます。
今、小さな調整だけでは不十分です。
腎臓中心のルーティンに完全に切り替える時期です。
- 重要なお知らせ: もし猫のクレアチニン数値が2.5mg/dL以上、または食欲が著しく低下している場合、臨床データに基づけば、ステージ2の戦略を維持するよりもステージ3の管理ルーティンに切り替える方が、より効果的です。
サプリメント - 今こそ「組み合わせ」で管理すべきです
ステージ2では、単一のサプリメントだけでは不十分です。細胞エネルギー代謝、老廃物排出、炎症調節、腸由来毒素管理などを含む、複合的なアプローチが必要です。
猫の腎不全ステージ2の管理は、クレアチニンの数値によって大きく2つのアプローチに分けられます。
✔ クレアチニン値 < 2.5 mg/dL の場合
ステージ2初期、または食欲・活力が安定している猫には以下の対応がおすすめです:
- ドクター・トール・プロトコル(AIMベース)- 体内の自然な腎臓の老廃物除去システムをサポートします。
より積極的なケアを希望する場合は以下の追加も検討してください:
- インテンシブプロトコル(AMPKベース) – 細胞のエネルギー代謝を高め、酸化ストレスを軽減します。
- プロバイオティクスプロトコル(尿毒素ターゲット型) – 腸内由来の尿毒素の排出をサポートし、腸内の炎症を抑えて消化器と免疫の健康を維持します。
✔ クレアチニン値 ≥ 2.5 mg/dL の場合
この段階では、数値の安定と活力維持のためにより積極的なサポートが推奨されます。
複数のサプリメントを組み合わせた戦略が一般的です:
- ドクター・トール・プロトコル(AIMベース) – 体内の自然な腎臓の老廃物除去システムをサポートします。
- インテンシブプロトコル(AMPKベース)– 細胞のエネルギー代謝を高め、酸化ストレスを軽減します。
- プロバイオティクスプロトコル(尿毒素ターゲット型)– 腸内由来の尿毒素の排出をサポートし、腸内の炎症を抑えて消化器と免疫の健康を維持します。
- オメガ3(EPA/DHA)– 抗炎症作用と腎血流改善(目安:1日約100mg)
この組み合わせは、世界中の10,000件以上のCKD症例に基づく実績あるプロトコルです。
※ ノート - グレイコートリサーチでは、この4つの組み合わせが最も総合的かつ十分な管理体制であると信じています。過度なサプリメントの追加は、肝臓や腎臓に不必要な負担をかける可能性があります。他の製品を検討される場合は、必ず専門家と相談の上で決定されることをお勧めします。
食事管理 - 今こそ腎臓療法食への切り替え時です
CKDステージ2に入ると、タンパク質・リン・ナトリウムを適切に制限した食事が、腎臓への負担を軽減する上で不可欠になります。
✔ 腎臓療法食に切り替えましょう
- 獣医師の処方食、または機能性の腎臓サポートフードを選びましょう。
- 低リン・低ナトリウム・制限されたタンパク質が含まれていることを確認してください。
- ロイヤルカナン、ヒルズなど、臨床的に信頼されているブランドを優先的に検討すると安心です。
※ ポイント:フードの拒否がある場合は?
猫が新しいフードをすぐに食べないこともあります。その場合は、これまでのフードと混ぜながら徐々に切り替えることで、スムーズに慣れさせることができます。
水分管理 - 今こそ「積極的な水分補給」が必須です
CKDステージ2では、脱水の進行が加速し、老廃物を排出するためにも十分な水分摂取がこれまで以上に重要になります。
この段階では、猫の自発的な飲水だけでは不足する可能性があります。
✔ 1日に必要な最低水分摂取量:
- 体重1kgあたり約40ml (例:4kgの猫 → 最低でも160ml/日)
✔ 水分摂取を増やすための工夫:
- ウェットフードに温かい水を加える(1:1 または 2:1 の割合)
- チューブ型おやつを水に混ぜて給水サポート(例:おやつ5ml+水30ml → おやつ感覚で水分摂取)
→ 少量ずつ、1日数回に分けて与えるのが効果的 - 獣医師の判断により、皮下輸液(毎日)が勧められる場合もあります。
※ この時期に水分補給が不十分だと…
腎臓機能の悪化が早まるリスクがあります。
ウェットフード、希釈したおやつ、皮下輸液など、複数の方法を組み合わせて水分状態を安定的に管理しましょう。
健康モニタリング - 「積極的な観察」が重要です。
CKDステージ2は変化が起こりやすく不安定な時期です。
いつ急激な悪化が起きてもおかしくありません。
継続的な観察は、異変の早期発見と、迅速な対応につながります。
✔ 猫の体重を週に1回チェックしましょう
- 毎回同じ条件(食前・同じ時間帯など)で測定します
- 急な体重減少は、筋肉量の減少や病状の進行のサインである可能性があります
✔ 食欲と活力の変化に注意しましょう
- 繰り返される食欲不振や無気力は、 ステージ3への進行や、急性腎不全(AKI)の兆候である可能性があります
- AKIは、CKDと併発することのある急性疾患です
✔ 嘔吐やヘアボールの頻度も観察しましょう
- 嘔吐がいつもより増えた場合、 腎機能の低下による胃腸への負担が考えられます
✔ 動物病院での定期検診:1〜6ヶ月ごとに
- 血液検査:クレアチニン、BUN、リン、電解質 などをチェック
- 超音波検査:腎結石の有無や、腎臓の構造的異常を確認します
今こそ猫のルーティンを切り替えるべき時です。
多くの猫が、CKDステージ2で初めて診断されます
しかしその時、多くの飼い主様が致命的な誤解をしてしまいます。
「まだそんなに深刻には見えないのですが…」
実際には、ステージ2こそが最も重要な転換点なのです。
食事、サプリメントの組み合わせ、水分管理など、
すべてのケアを見直すべき時期に来ています。
※ステージ2の適切な管理方法は、
猫の進行スピードや併発している症状によって異なります。
もし数値の悪化や体調の変化が見られた場合は、
早めに対応することが、未来の安定につながります。
グレイコートリサーチでは、
猫の状態に合わせた個別ケアプランのご相談を受け付けています。
お気軽にご相談ください。